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元禄遊女伝

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作品紹介(1巻の作品内容を表示しています。)

第3回日本漫画家協会賞 大賞受賞作品。 遊女の喜怒哀楽をユーモラスに表現する事によって元禄という時代の病理を描く。 ■■ごあいさつ 矢野徳■■ ご存知の様に、元禄時代は文化が爛熟し、尾形光琳、乾山、野々村仁清、松尾芭蕉、菱川師宣、井原西鶴、近松門左衛門などなどの文化人がブレイクし、歌舞伎や人形浄瑠璃などの演劇も開花して、めっちゃ華やかな時代であった。  花街もにぎわい、踊り、三味線、歌は元より、囲碁、将棋や和歌、俳句、生け花、茶の湯、漢詩などのすぐれた才能をみがいた文字通りの才色兼備のおいらんが続出し、文人墨客や大名なども出入りして、遊郭を舞台に、教養や粋や財力、風流などなどを競い合う見栄の張り合いとも言える遊郭文化のサロンが形成されていた。  ものごとには表もあれば裏もある。豊かさのすぐそばに貧困があり、ヤケクソで踊り狂う「ええじゃないか踊り」が津波の様な勢いで各地をねり歩き、次々にその波は巨大化していった。  遊郭に売られて来る娘たちは大部分が貧しい家の娘で「赤いべべ着て、白いマンマ食べて」という女衒(ゼゲン・娘を売り買いするブローカー)の言葉に一家揃ってコロリといってしまう位の悲惨な身の上であった。  一見はなやかな花街には「苦界」といわれる蟻地獄の様な仕組みがあり、娘たちの身も心も喰らい、しゃぶりつくし、病死すれば「投げ込み寺」へ投げ捨てられるのだ。  この作品を描いたのは、まさに「昭和元禄」とよばれた時代である。遊女たちの姿は庶民の「写し絵」と私には思えた。  今また、貧富の格差が拡大し、人口の数パーセントが他を支配し、奪い取る、まるでアパルトヘイトの如き様相を呈している。  遊女たちを、暗く悲しく描くのはたやすい。明るく、けなげで愛らしい者として描こうと思って絵筆を執った。  明るく、時には暗い笑いを通して、遊女たちの悲喜こもごもや時代の風などが表現できていれば幸いである。  この作品が賞を得た事で、御世話になっていた週刊「漫画サンデー」と週刊「土曜漫画」が祝、受賞企画を立てて下さった。  両誌共に、二色、八頁、十週連載という不思議な事になった。両編集長は「トナリの芝生はあおい」てな事で、時に皮肉を言ってハッパをかける。仲々のプレッシャーだったが、他の雑誌の仕事も何とかクリアし乍ら無事十週を乗りこえる事ができた。二色作品は両週刊誌からのものでありんす。  ちなみに、コミック作品と異なるのは「ヒトコマ作品」を積み重ねる手法をとった事で、そのためには、文章における「行間」の様に、ヒトコマとヒトコマが様々な形で響き合う様にと工夫をしたつもりである。  この作品をコミックとして描いたらとしたら約三十倍くらいの頁数になると思われる。是非ゆっくりとご覧下さると嬉しく思います。

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